生物飼育室
黒島に生息する動物を飼育展示しています。ウミガメ、ヤシガニやハブといった沖縄ならでは動物、その他にサメやウツボなどの周辺海域の魚を見ることができます。
ウミガメ
八重山諸島にはアカウミガメ、アオウミガメ、タイマイの3種が生息しています。当研究所では、この3種のウミガメをすべてご覧頂けます。その他にも淡水性のカメも飼育していますので、ウミガメとの違いを見比べることもできます。夏休みや大型連休には放流のイベントも開催していますので、是非ご参加ください。イベントのお知らせは、当サイトのホームでご案内しています。
ヤシガニ
陸上では最大の甲殻類です。貝がらを背負っていませんが、ヤドカリの仲間です。日本では奄美諸島よりも南の島々でしかみることができません。黒島ではヤシガニを捕獲する様子をあらわす民族芸能があるほど馴染みのある動物ですが、近年は食用として乱獲され生息数の減少が心配されています
サキシマハブ
昔から毒蛇として恐れられています。日本には5種類のハブが生息していますが、サキシマハブは沖縄本島のハブと比べると小型で毒も少なく、近年では死亡事故はありません。夜行性なので、昼間に出会うことはありません。それに住処となる石垣や岩場がなくなり、最近は見つけることが難しくなっています。八重山諸島で生きたハブを展示しているは当研究所だけです。
資料展示室
ウミガメの剥製・サンゴやイルカの骨格などの生物標本、黒島の豊年祭で使われた爬龍船などの民具、H2Aロケットの破片、黒島に関わる様々なものを展示しています。
カーミーゾー
沖縄の伝統的なウミガメの漁法です。先に釣針を固定した棒でウミガメに近づき、ウミガメに引っかけたあとは棒を抜いて船に戻ります。そして船の上からロープをたぐりよせ、ウミガメを船に揚げます。カーミーカケのできる海人は激減しています。ウミガメは泡の音に敏感なためタンクは背負いません。素潜りで深い時には30メートルも潜水することから熟練した海人にしかできません。ウミガメが休息するポイントも知っていなければできません。仕留めたウミガメの血でサメが寄って来ることもあります。最も怖いのはロープにからまってウミガメに海底へと引きずり込まれることです。沖縄の数ある漁法の中でも危険度が高いと言われています。当研究所に展示してあるカーミカケに使う棒と釣針は、八重山最後のウミガメ専門の海人から譲り受けたもので、実際に多くのウミガメを仕留めたものです。
サンゴ標本
標本とは、研究の材料という役割の他に、その生物がその時代に生きていたことを示す確かな証拠でもあります。当研究所には約1000点のサンゴ標本があり、国内でも屈指のコレクションです。これらのほとんどは、1970年代から80年代に採集されたもので、当時の八重山諸島のサンゴの素晴らしさを伝える唯一のものと言えます。標本の目録は日本造礁サンゴ研究会の監修のもとに冊子となっています。ご覧になりたい方は、下記のアドレスからダウンロードして下さい。⇒catalog_of_corals_in_kuroshima_ii.pdf
爬龍船
展示されている爬龍船
黒島の豊年祭で実際に使われていた爬龍船です。1983年に建造されて以来、約30年間 実際に豊年祭で利用されました。2009年にその役目を終え、2010年からは新しい爬龍船が活躍しています。黒島の爬龍船は20名乗りで、八重山の他島の爬龍船よりも大きいことが特徴です。このサイズの爬龍船は、おそらく県内では当研究所を含めても2か所で展示されていません。なお、競い合っていたもう一隻は黒島ビジターセンターに保管されています。
黒島豊年祭の詳細は⇒黒島の情報
H2Aロケットの破片
種子島で打ち上げられたH2Aロケットのフェアリング部分です。ロケットは打ち上げたすべてが宇宙に行くのではなく、不要になった部品は途中で落としていきます。本来ならば、GPSによって全ての部品が回収されますが、ごく稀に回収できず、漂流することがあります。そして偶然にも黒島に漂着し、発見されました。発見時の破片このフェアリングの発見は、黒島のオジーが投網で魚を捕るために海岸を歩いている時でした。当初は、飛行機の部品かと思われましたが、当研究所に運び込み、海上保安庁に問い合わせたところロケットの破片とわかりました。接続部分は機密部品を含むために、後日JAXAの職員が回収していきました。
フェアリングの解説は⇒JAXAのサイトへ