修学旅行で3校が来所
2019.11.25
修学旅行シーズンとなり、11月には3高校が当研究所を訪れました。研究所では館内の解説やウミガメ放流のほかに、植物学を専攻した職員による月桃の葉を使ったムーチー作りなど、様々な体験プログラムが行われました。また、東京の大学院生によるサメ釣り体験など、黒島を研究の拠点としている学生も講師として参加しました。修学旅行を通して、この生徒たちの中から、黒島の自然や文化を研究する研究者が現れることを期待します。
竹富島でウミガメ漂着
2019.11.20
11月18日、竹富島で住民の方からウミガメが漂着していると連絡がありました。私たちは、体の大きさを計測、番号の書いたタグの有無を確認、場合によっては解剖して胃の中を調べます。よくどうして死んだのかを聞かれますが、死因を特定するのはとても難しいです。今回のカメは頭部と左腕がありませんでした。もしかしたらこの子はサメに襲われたか、それともスクリューに巻き込まれたか…。しかし、それも他の要因によって死んでしまい、海を漂っている間に起こった出来事だったかもしれません。一つだけはっきり言えるのは、このような漂着したウミガメを何十年も調べ続けることでしか、彼らの脅威を明らかにできないことです。
今年のウミガメ調査が終了しました
2019.11.14
先日、今年最後の産卵巣から子ガメの脱出がありました。今年はアオウミガメの産卵が13回、タイマイの産卵が1回ありました。黒島では過去にアカウミガメの産卵もありましたが、2016年から確認されていません。再び、アカウミガメの産卵があるのか。これからの産卵状況に注目したいと思います。
タイマイのふ化率調査
2019.10.15
8月初めのタイマイの産卵から2ヶ月、その産卵巣のふ化率を調べてきました。卵は生まれるまでの2ヶ月の間に高温や高波をかぶったりして死ぬことがあります。子ガメの中には、卵から生まれても砂の中から脱出できず、力尽きるものもいます。ふ化率は、卵の殻を数えるだけの地味なものですが「その砂浜がウミガメ卵にとって優れた環境であるか」を知るための大切な調査です。今回は120個の約8割にあたる100個がふ化し、子ガメが海へ旅立ったようです。これからも子ガメはカニに襲われたり、魚に食べられてしまう危険もあります。厳しい自然を強く生き抜いて、母ガメとなって黒島に帰ってくることを願います。
獅子舞
2019.8.17
旧盆明けの8月16日 獅子舞が行われました。獅子舞は、お盆を過ぎても あの世に帰らない霊を収めるために開催されます。現在は仲本集落のみですが、過去には宮里集落でも行われていました。ボークと呼ばれる踊り手が獅子を導きます。獅子舞は奇数行うことが決まっていて、今年は7回行われました。
あんがま
2019.8.15
旧盆にあたる13、14日にアンガマが行われました。沖縄ではお盆になると本島ではエイサー、八重山ではアンガマと呼ばれる行事が行われます。黒島のアンガマは精霊に扮した島の青年たちが、仏壇のあるお家を訪ねて踊りを披露します。このアンガマは八重山の中でも各島によって少しずつ異なります。例えば、石垣島ではお家の座敷で踊りが披露されますが、黒島では庭で踊ります。また、石垣ではお面をかぶった老人が珍問答をして笑いを誘いますが、黒島ではチョンダラーと呼ばれる道化が場を盛り上げます。すぐ近くの島でも、海で隔てられると、さまざまな芸能が分化する証拠です。
今年初のタイマイの産卵
2019.8.4
8月1日に今年初のタイマイの産卵がありました。おそらく7月29日に上陸したタイマイと同じ個体と思われます。タイマイは海浜植生の中で産卵することが多く、今回も植物の奥まで入って産卵していました。また、西の浜に戻って来てくれることを期待しています。
ナイトガイド中にタイマイの上陸がありました
2019.7.29
ナイトガイド中にタイマイの産卵がありました。黒島では今年4月からウミガメの上陸が確認されていますが、今回も含めて上陸はわずか13回です。つまり、一週間に一回ほどしかウミガメは来ません。このため「ナイトガイドではウミガメと会えません」とお伝えしていたのですが、今回はとても幸運なことにウミガメと遭遇しました。残念ながら、このウミガメは砂が崖のようになっているところに上陸してしまい、産卵できませんでした。10年前は、この場所にもたくさんの砂あり、傾斜が緩やかで、ウミガメの産卵に適した場所だったのですが・・。このような長期的な砂浜の変化を明らかにするのも、我々の役割として調べていきたいと思います。
今年10回目のウミガメの産卵がありました
2019.7.6
黒島西の浜でのウミガメの上陸数が10回になりました。種類は全てアオウミガメです。10回は多いように感じますが、実はアオウミガメは一年に5-6回ほど産卵します。おそらく母ガメの数はわずか2頭です。産卵シーズンも中盤になりました。これから新しい母ガメが黒島に訪れることを期待しています。
アカショウビンの子育て
2019.6.24
アカショウビンの子育てを自動撮影装置で観察しました。アカショウビンは枯れた木や白アリの巣に穴をあけて子育てをします。我々が見つけた時は、もう巣立ちの直前でした。ヒナたちが無事に成長することを願っています。
子育ての動画はこちら⇒ Youtubeへ
ドラゴンフルーツが開花
2019.6.20
ドラゴンフルーツの花が見ごろを迎えています。ドラゴンフルーツはサボテンの一種です。食用としては有名ですが、実はとても大きく綺麗な花を咲かせます。花は満月の晩に咲きます。これは夜行性の動物が花粉を媒介するためと言われています。黒島では、家を取り囲む石垣を利用して栽培している家庭が多く、道沿いから見ることができます。観光で黒島に宿泊されている方は、お酒と星に加えて、是非サボテンの花を探してみてください。
オカガニの産卵がピーク
2019.6.18
海で幼生を放す母ガニ。波打ち際で体を震わせている
階段の隙間から出てくるオカガニ。身近なところで生活している
道を歩くオカガニたち。夕方、暗くなると海へ移動する
オカガニは6-8月の月夜に産卵します。オカガニはもともと海で生活していたカニが陸上に進出したものです。大人は陸上で生活しますが、幼生は海で過ごします。このため、お母さんガニは夏の夜に海岸へ行き、海へ幼生を離します。黒島にお泊りの方は、是非 この神秘的な光景をご覧ください。
平成最後の産卵
2019.4.30
4月30日午前2時 西の浜でアオウミガメが産卵に来ました。1mもある巨体をひきずり植生の近くまで来ると穴を掘って卵を産みます。涙を流しながら産卵する母ガメの姿は感動です。この母ガメは卵を産み終えると2時間近くかけて丁寧に卵を埋めて海に帰っていきました。令和の時代もウミガメが産卵できる砂浜を守っていこうと思います。
石垣島の小学校が遠足で来所
2019.4.26
石垣島の小学生が遠足で来所しました。当研究所では毎年 小学校の遠足を受入れており、さまざまなプログラムを実施しています。今年は、展示室での勉強とウミガメ放流だけでなく、サメを使った実験も行いました。この体験をとおして、子どもたちが少しでも海の生物に関心を持ってもらえたなら幸いです。
ウミガメの初産卵がありました
2019.4.9
ウミガメの初産卵がありました。足跡からアオウミガメと思われます。発見した日は4月6日ですが、痕跡から、おそらく4月3日頃に産卵したようです。日本で今年はじめての産卵かと思ったのですが、3月末に与論島では産卵が確認されていたそう。ちょっと残念ですが、先ずは今年もウミガメが来てくれたことに感謝です。
アカショウビンがやってきました
2019.4.6
アカショウビンは黒島ではとても身近な鳥です。毎年 3月末から4月上旬に子育てのために渡ってきます。アカショウビンは、その鮮やかな赤色が目立つだけでなく、涼音のような不思議な鳴き声をします。この鳴き声から黒島では「コッカル」と呼ばれています。アカショウビンが登場する民話では、「神様が人に朝を伝える役目をコッカルに与えようとしたが、コッカルは夏にしか鳴かないので不合格にされた」とか。昔の人々もコッカルの鳴き声で季節を感じていたのでしょう。ちなみに、民話の続きは、カラスは寝坊助、コウモリは夜だけなので不合格、最終的には鶏が合格したそうです。
ヤエヤマスズコウジュが咲いていました
2019.3.21
海岸の岩場を歩いているとかわいい小さい花が咲いているのを見つけました。調べてみるとヤエヤマスズコウジュというシソ科の植物でした。この植物は日本と台湾の固有種で絶滅危惧種Ⅱ類に含まれます。なんと八重山では黒島と新城島、与那国島でしか見つかっていないとっても貴重な種類です。偶然見つけた希少な植物に感激です。
沖縄かめ宴会がありました
2019.2.19
2月16日、今年も沖縄のウミガメ調査者が集まるかめ宴会が那覇でありました。各地の砂浜を調査されている方や水族館の飼育員、研究員、学生など様々な立場の人がウミガメという共通点をもとに語り合いました。昨年は大度海岸で調査をされていた亀仙人、小林茂夫さんが亡くなりすこしさびしくなった沖縄カメ界ですが、新しく入ってきた学生たちの若い力を借り、今シーズンの調査で健闘することを誓いました。
黒島の旧正月
2019.2.6
東筋の大綱引き
東筋のミルク
仲本の正月ユンタ
作物を掲げて豊作を祈る
黒島では、明治前のカレンダーである旧暦で行事を開催する習慣が残っています。昨日2月6日は旧暦1月1日にあたるため、東筋と仲本の2集落で新年の行事がおこなわれました。東筋では昼間に、仲本では夜に開催します。時間をわけて開催するのは、人口が少ない黒島において、島民がどちらの集落も手伝えるようにするためです。また、大綱引きには観光客も参加し、皆で新年をお祝いできます。小さい島でも、助け合いの精神によって伝統行事が継続されているのです。
黒島にマンタがやってきました
2019.1.19
今年もマンタが餌を求めて黒島にやってきました。水面近くで優雅に泳ぐ4,5匹のマンタに囲まれて泳ぐことが出来ました。マンタは私達にぶつかりそうになるほど正面から向かってきたり真下を泳いで行ったりと、間近で観察することが出来ました。 頭についた角のようなものは頭鰭(とうき)と呼ばれるもので、水流をつくりだして餌となるプランクトンを口に運ぶために利用されます。
初セリが行われました
2019.1.15
1月13日、黒島で牛の初セリが行われました。牛で有名な黒島ですが、実は成牛に育てて、肉として販売しているわけではありません。黒島では主に生後12か月未満の子ウシを出荷しています。この子ウシが石垣や九州などに売られて、肉用牛として育てられ、各地のブランド牛になります。皆さんが本土で食べている和牛は、もしかしすると黒島生まれかもしれません。今年の初セリでは、なんと過去最高170万円の子ウシも登場し、幸先のよいスタートとなりました。
年末年始のウミガメ勉強会が終了!
2019.1.7
12月29日から開催してたウミガメ勉強会は、昨日 盛況のうちに終了しました。ツアーとしてご協力いただいた安栄観光、島内の飲食店のハートランド・あーちゃん、そして、ご参加いただいた多くの観光客の皆さまに感謝いたします。皆さまのおかげで、また、少しずつウミガメの生態を明らかにすることができます。次回の開催は、春休みとGWを予定しています。関係機関と調整が着き次第、Webサイトにアップしていきます。
2018年の入館者など
2019.1.1
新年 明けましておめでとうございます。おかげさまで2018年も入館者が一万人を越えました。さらに海外からのお客様は2017年の28か国よりも多い41か国の人々が訪れました。これからも黒島の自然や文化を紹介する窓口として、多くの人々に喜んで頂けるような施設であり続けたいと思います。そして、ウミガメが安心して産卵できる美しい砂浜を残すために努力していきます。本年もどうか宜しくお願い致します。